爪水虫(爪白癬)の基礎知識と感染予防ガイド

ネイルトラブル

1. 爪水虫とは何か?

爪水虫(爪白癬)は、足の爪や手の爪に白癬菌が感染して起こる病気です。
日本人では、実約10人に1人が爪白癬にかかっているともいわれ、年齢が上がるほど増加する傾向があります。
実際に病棟で働いていると、ほとんどの方が白癬菌に感染しています…。


白癬菌は皮膚の角質や爪の主成分ケラチンをエサにして増殖します。
特に爪は硬いため、菌が深く侵入すると治りにくく、外用薬だけでは効果が乏しいことがあります。

2. 足の水虫(足白癬)との違いとは?

症状の違い

足白癬は、指の間のかゆみ、皮むけ、小水疱、角質増殖型などの症状が典型的で、かゆみが生じることも多いですが、実は全体の約10%程度とされています。
一方、爪白癬はかゆみ・痛みがほぼなく、爪が白や黄色で濁ったり厚くなったり、もろくなったりする特徴があります。
見た目が悪化し、特に高齢者では放置すると歩行困難や転倒リスクも高まります。

感染経路

爪白癬は多くの場合、足白癬を放置した結果白癬菌が足から爪に感染して発症します。
足白癬患者の約3人に1人が爪白癬を発症するという報告もあります。



逆に爪から足にも菌がうつることがあるため、両方の部位をまとめて治療・予防することが重要です👆

3. 感染経路と予防策

家庭内感染と対策

白癬菌は、スリッパ、バスマット、タオル、爪切りなどを介して家庭内で広がりやすいです。
避けるべきポイントは不特定多数が素足で使うスリッパやマットを共有しない、使用後は足を洗って乾かす、こまめに靴下を替え・靴を乾燥させること。
掃除や床拭きを通じて、落ちた菌を除去することも効果的です。

公共の場所での注意点

温泉、銭湯、ジム、プールなど裸足で歩く場では、白癬菌に触れてもすぐに感染するわけではありません。
菌が定着するには12〜24時間程度かかるとされており、帰宅後に石鹸で足を洗ってしっかり乾燥させることが感染予防になります。

日常のセルフケア習慣

入浴後は足と爪を丁寧に洗い、指の間や爪の隙間も忘れずに泡で優しく洗浄後にしっかり乾燥させましょう。
通気性の良い靴下・靴を選び、同じ靴を毎日履かず2〜3足を交代で使用するのも効果的です。
サンダルや裸足で過ごす時間を取り入れるのもおすすめです✨

4. 治療法と実際の流れ

外用薬と内服薬の違い

足白癬には、ルリコナゾール(ルリコン)、テルビナフィン(ラミシールAT)などの外用薬を塗布し、通常3ヶ月程度継続します。
爪白癬では、爪の奥深くまで薬剤が届きにくいため内服薬が中心になります。
特に高齢者の爪は厚く変化しているケースが多く、薬剤の効果を十分に発揮しにくい傾向があります。また、持病や服用中の薬との兼ね合いもあり、外用薬のみで治療を行うケースもよくあります。

内服薬の選び方と期間

代表的な内服薬

  • テルビナフィン
  • ホスラブコナゾール(ネイリン)
  • イトラコナゾール

定期的に肝機能検査を行いながら治療を進めることが重要です。

完治までの目安・治療期間

爪が自然に伸びて生え変わるまでに時間がかかるため、完治には以下の目安が目安です:

  • 軽度:3〜6ヶ月
  • 中等度:6〜9ヶ月
  • 重度:9〜12ヶ月以上
    見た目が改善しても菌が残っていることがあるので、自己判断で治療を止めず根気よく続けることが大切です

5. 再発防止と予後管理

治療後も再発を防ぐためには、家族への配慮と環境整備が不可欠です。
バスマット・スリッパ・タオルなどは別々にし、こまめに洗濯・乾燥を心がけ、菌が定着する前に足を清潔に保ちましょう。

必要に応じて、肥厚した爪のケアをしていくことも、健康な爪を保つために大切です!
一度変形した爪は自然に戻りにくいため、定期的に削って厚みを整えたり、爪の周りを清潔に保つことで、菌が再び入り込むのを防ぐことができます。

専門士のフットケアやネイルケアを併用することで、治療後の再発予防と爪の見た目の回復、どちらも目指すことができます。

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6. よくある質問とセルフチェック方法

Q1. 爪が変色しているけど、本当に水虫?
爪の一部だけ白い・先端だけ限局している軽度な症状の場合、表面を削って外用薬を塗るだけで改善が期待できることもあります。
正確な診断には、顕微鏡での真菌検査をしてもらうことが重要です。

Q2. 症状がある時はいつ病院へ?爪って何科?
爪に異変(黄変・肥厚・もろさ)がある、特に痛みや歩行への影響がある場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
受診前に、気になっている爪の写真、治療歴、市販薬の使用歴などを整理しておくと医師との意思疎通がスムーズです。

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